愛しのマイガール
「……そのうえで聞く。君を守るために、名実共にるりを月城側の人間にしたい。もし可能なら、うちの広報プロジェクトに“外部協力者”として加わってほしい」
一瞬、彼女の瞳が見開かれた。驚きと、戸惑いと、ほんの少しの嬉しさが混じっていた。
「私で……いいの?」
力強く頷く。
「資料を見てそう思った。考えていることは的確だ。建前じゃない、本音がある。今の月城には、そういう声が必要だ」
彼女は迷うように視線を落としたが、すぐに顔を上げて、頷いた。
「……やりたい。今の私にできること、ちゃんと向き合ってみたい」
その声は、かすかに震えていたけれど、どこまでもまっすぐだった。
「無理はさせない。ただ君が俺の側にいたいと思ってくれるなら……きみを、俺に守らせてほしい」
俺はそう告げて、そっと彼女の髪を耳にかける。
そのまま顔を寄せ、こめかみにキスをした。るりの頬がわずかに赤くなったのを見て、ゆっくり立ち上がる。
「ハルちゃ……」
「もう遅い。早く休めよ」
そう言い残し、机の上のるりの残したメモを手に取った。手書きの文字は真っ直ぐで、優しくて、そして強かった。
——もう、誰にも傷つけさせない。
静かに心の中でそう呟き、部屋をあとにする。俺の提案に応じてくれたるりの想いに応えるためにも、俺は“月城”を動かす側に立たなければならない。
守るだけじゃない。信じて、託して──この手で、彼女の居場所を守り切る。