愛しのマイガール
ふと、ハルちゃんが微笑んだ。その顔はいつものように優しくてあたたかい、私の大好きな笑顔だった。
「いいんだよ、るりは、そのままで」
ハルちゃんは私をゆっくりと見つめて、静かに言った。
「冷静に判断して、矢面に立って、嫌われ役になるのは俺の仕事だ。るりが全部背負って強くなろうとする必要なんかない。俺は……るりのそういうところが好きなんだから」
その言葉に、ふっと涙が滲みそうになった。
「……ハルちゃん」
私は、そっと微笑んだ。
心の奥が、じんわりとあたたかくなる。
「傷ついてもそれを赦す、強いきみが好きだ。何物にも染まらない、純粋なきみが好きだ。俺に希望と恋をくれた……太陽みたいに笑うるりが、俺は好きなんだ」
ハルちゃんのあたたかい手が頬に触れる。優しく、大切にしまっていた宝物を取り出すように、私の心をすくいあげる。
「君はずっと、俺にとっての最愛だよ」
その言葉に、今度こそ涙がこぼれそうになる。
目元に滲んだ涙を拭うように、そっとキスが落とされた。頬を伝い、耳をかすめ、そして、唇に──
そのすべてに、やさしさと決意が宿っていた。
夜空には、雲に潜んでいた月が輪郭を浮かべた。柔らかな月光が、私たちを優しく包み込む。
ハルちゃんは唇を離すと、ふと私の前に膝をついた。その仕草に、私は思わず息を呑む。
「俺はずっと、るりの手を離さないって決めてる。それは、これからも──未来になっても、変わらない。だから……改めて、伝えさせてくれ」
そういしてハルちゃんは、そっと小さなケースを開いた。
そこに並んでいたのは、月の光を受けてきらりと瑠璃色の光を宿す、美しいダイヤの指輪。
ほんのわずかに青みがかったその輝きは、ただの高級ジュエリーじゃない。どこか私の名前を呼ぶように、優しく煌めいていた。
「るり……蓬来瑠璃さん。俺と、結婚してくれますか」
そのやさしい言葉が、私の奥深くまで染み渡った。