愛しのマイガール
「どんな私でも受け入れてくれた彼がいて、彼の気持ちに支えられて、ここまで来ました。……だけど今は、その支えだけじゃなく、私自身の思いで、どんな声があっても彼の隣にいたい。そう決めて、ここにいます」
しんとした静寂。
けれど、もう怖くはなかった。
ハルちゃんがマイクを取り、低く、でもはっきりと言葉を紡ぐ。
「今の彼女の言葉がすべてです。誰がどう言おうと、俺にとって彼女以上の存在はいません。これからもその気持ちは変わらないと、ここで改めてお伝えします」
その声が静かに響いた瞬間、会場の空気が変わった。
ざわめきとカメラのシャッター音。私の中でずっと張り詰めていたものが、すっと溶けていくのがわかる。
そっとハルちゃんの横顔を見た。彼はまっすぐ前を見たまま、何事もなかったように椅子に座っていた。
でもその手の甲に浮かんだわずかな血管が、抑え込んだ感情の痕跡のように、確かにそこにあった。
──それが、どうしようもなく愛おしかった。