愛しのマイガール
そう言いながら、自分で口にした言葉に、じんわりと実感が湧いてくる。
(私は、甘えたままでいたいわけじゃない。……でも、隣にいてくれる人がいるのは、こんなにも心強い)
ハルちゃんは、小さく頷いた。
「それと、もうひとつ。けじめをつけたいことがある」
「……けじめ?」
「君のご両親に、正式に挨拶をさせてほしい。できれば、碧さんと琥珀さん、揃っているときに」
その名前を聞いた瞬間、また別の意味で心拍が跳ね上がった。
「……ま、待って。お父さん今海外で、お母さんもそれについて行っててこっちにいなくて。いつ帰ってくるか分からないし……ただでさえ忙しいハルちゃんに、うちの両親の都合に合わせるわけには」
「それならせめてリモートでもいいから、報道より前に挨拶したい。昔あれだけよくしてもらったのに、幼馴染だから勝手に結婚しますじゃ、あまりに失礼だろ」
「…っ」
その言葉が、まっすぐ胸に届いた。
ハルちゃんは、私だけでなく私の家族に対しても真摯でいようとしてくれている。
「……分かった。伝えてみるね」
覚悟なんてまだ足りないかもしれない。
でも、ハルちゃんの隣に立って今日を越えた私なら、ちゃんと家族の前でも胸を張れる気がする。
「あ…じゃあ先にお兄ちゃんにだけでも会う?確か明日には東京に戻るって言ってたから…」
「翡翠はいいだろ、別に」
「え?どうして?」
「面倒くさいから」
「……」
ハルちゃんの中のうちの家族への境界線が分からない。ちゃんと言っておかないと一番うるさそうなのは、間違いなくお兄ちゃんなんだけど。