愛しのマイガール

「…るり」

そのとき、彼の指がそっと私の手に触れた。
強く握られることはなく、そっと重ねられる。

「君は、君のままでいい。俺のそばを選んでくれたこと、それだけでもう十分すぎるくらいなんだから」

ハルちゃんはただ、穏やかに言った。
その声音が胸の奥の揺れていたものにそっと触れて、波紋のように広がっていく。

「だけど、るりが俺との事に真剣に向き合おうとしてくれて、すごく嬉しいよ」

そう続けられた言葉は、迷いのないあたたかさに満ちていた。
ハルちゃんの大きな手は、静かに体温を分けてくれるようで。不安のかたまりが、少しずつほどけていく。

「昔、俺が言ったことを覚えてるか?」

「むかし…?」

「俺がるりを守れるくらい立派な男になったら、もらってくれるか?って。るりのプロポーズにそう返した」

「……」

思い返してみても、何か難しい事を言われたような記憶があるだけではっきりしない。
あの時は「結婚して!」って言った後、ハルちゃんが「いいよ」って返してくれたことが嬉しすぎて、その先はちゃんと聞いていなかった。

覚えてないなんて薄情な気がして答えに迷っていると、ハルちゃんは気にした様子もなく目を細めた。

熱を秘めたその瞳に、私は思わず息を飲む。


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