愛しのマイガール
ほんとうに久しぶりだった。
家族みんなで、誰かを囲んで笑い合う食卓。
しかもその“誰か”が、ハルちゃんで。
昔の私が、大好きだった光景。
懐かしさにじんわりと心をあたためていると、ふいにお母さんが声をかけてきた。
「ねえ瑠璃ちゃん、普段お食事はどうしてるの?せっかく巴琉くんと一緒になるんだもの。お料理はちゃんと練習してる?」
何気ないその問いに、一瞬フォークを持つ手が止まった。
「あ、えっと……最近は、あんまり…。バタバタしてたから外食が多くて」
視線を泳がせながら答える。
はっきり言って、私は料理は苦手。頑張らなきゃとは思うけど、なぜかどこかしらを焦がしてしまう。
すると空気を読んだように、お兄ちゃんが口を挟んできた。
「別にいんじゃね。巴琉なら瑠璃から出されたら例え泥団子でも食うだろ」
「ちょっとお兄ちゃん!?それ、ハルちゃんにも私にも失礼だよ!」
思わず身を乗り出して抗議すると、今度はハルちゃんがにこにこと割って入った。
「るりが用意してくれるなら俺は喜んで食うぞ?」
「ほらみろ」
「ハ、ハルちゃんも余計なこと言わないで!」
顔が熱くなるのを感じながら、私はつい声を上げてしまう。なのにハルちゃんは少しも悪びれる様子もなく、ただやさしく笑った。
「本音だよ。るりがくれるものなら、何だって嬉しい」
「うわ〜……ごちそうさまでーす」
お兄ちゃんはわざとらしく椅子にもたれて、そっとお箸を置いた。