愛しのマイガール
私はゆっくりと一歩を踏み出す。緊張で少しぎこちないけれど、英子さんの視線はとてもあたたかい。
(私、ちゃんとできるかな……)
内心の不安は、まだ完全には消えない。でも、それでも前に進まなきゃいけない。
(私はずっと、“守られる側”でいるしかないって思ってた。頼ることしかできなくて、情けなくて……)
でも。
(ハルちゃんがくれたのは、ただの安心じゃなかった。“信じてもいい”という気持ちだった)
それは、怖いほどに温かい感情だった。
「好き」とはまだ言えない。
この気持ちが恋なのか、それとも信頼の延長なのか、自分でもよくわからない。
けれど、彼の隣にいる自分でいたいと思うことだけは、嘘じゃない。
ふと顔を上げると、英子さんがわずかに頷いてくれた。ほんの数歩進んだだけなのに、なぜか胸の奥がじんと熱くなる。
「それでいいのですよ、瑠璃様。大切なのは、立ち方でも、歩き方でもありません。“自分で選んで、立ち上がること”。それこそが、もっとも人を美しく見せます」
その言葉に、心の奥に静かに波紋が広がった。