契約母体~3000万で買われた恋~
――課長が、他の女を抱く?

他の女性の体で、子供を作る?

想像しただけで、全身から血の気が引いていくのを感じた。

視界がぐらりと揺れる。

私はただの“最初の候補”に過ぎなかったのか。

代わりなんて、いくらでもいると、あの人も……本当にそう思っているの?

「……そんなの、嘘です。」

震える声で言った。自分でも信じられないほど、感情がにじんでいた。

「課長が、他の人を……そんな目で見るはずがない。」

私は、あの人の優しさを知っている。

心から誰かを想ったとき、あの人はそんな冷たいことは、できない人だ。

……信じたい。信じていたい。

「そう思っているのは――理央さん。あなただけよ」

麻里さんの声は、氷のように静かで冷たかった。

まるで、私の甘さも希望も、すべて見透かしているかのように。

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