契約母体~3000万で買われた恋~
翌日、私は会社を休んだ。

ベッドに横になったまま、天井を見つめてため息をつく。

「……はぁ。真壁課長に会いたくない。」

麻里さんの言葉が、ずっと耳の奥に残っていた。

信じたい気持ちと、信じ切れない現実のはざまで、心がどこにも逃げられなかった。

その夜――チャイムが鳴った。

「……誰?」

インターホン越しに名前を聞いて、私は息を呑む。

「真壁……課長?」

「仕事を休んだから、心配になって……来てみた。」

扉を開けると、少しだけ乱れたスーツ姿の彼が、目の前に立っていた。

「すみません、部屋……散らかってますけど。」

「女子の部屋だな。」

彼はふと笑って、玄関をくぐる。

「そりゃあ、女子ですから。」

小さく返すと、彼はふっと笑ってから一言。

「そうだったな。」

その言葉が、やけに優しく響いて、胸の奥がきゅっとなった。

彼がソファに腰を下ろす。私はおずおずと隣に座る。
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