契りの花嫁 ~冷たい夫が、私に恋をした日~
その日の夜も、圭一郎さんは迷いなく寝室に現れた。

障子が静かに閉まり、私は反射的に背筋を伸ばした。

布団に入って間もなく、彼の手が私の肌に触れる。

昨日よりも、ためらいは少なかった。

それでも、胸の奥がざわつく。

「ああ……」

思わず漏れた吐息に、自分で驚く。

たしかに――昨日のような痛みはなかった。

圭一郎さんが言った通り、慣れてくると……

それはやがて、快感に変わっていく。

彼が低く言った。

「昨日は……梢に悦びを与えられなかった。」

その言葉の直後、彼の動きが激しさを帯びる。

「圭一郎、さんっ……!」

押し寄せる熱に、身体がついていかないほど。

けれど、心のどこかがそれを求め始めている自分に気づいて、戸惑った。

「私は……十分、です……っ」

そう言って彼の胸に手を伸ばしたけれど、彼は静かに首を振る。

「まだだ。」
< 27 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop