契りの花嫁 ~冷たい夫が、私に恋をした日~
その声音は冷たくも熱くもなく、ただ――真剣だった。

快感が、波のように広がっていく。

触れられた場所が、彼の熱で溶けていくような錯覚。

私の中を満たすこの熱が、圭一郎さんからもたらされている――

そう思うと、体の奥が震えた。

「……圭一郎さん……」

小さく名前を呼ぶと、彼の動きがわずかに緩む。

それは優しさだったのか、偶然だったのか、私には分からなかった。

でも――

この人に、私の体で満足してもらえるなら。

それでいい。

それで、私はここにいていいんだ。

そう思った瞬間、涙がにじんだ。

声にはしなかったけれど、私の心は叫んでいた。

――本当は、愛してほしいのに。

「……梢、気持ちいいところ、教えて。」

圭一郎さんの声は、いつになく低く、どこか切実だった。

私は――ただ、首を横に振った。

恥ずかしくて、答えられない。

そもそも、自分でも分からないのだ。
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