契りの花嫁 ~冷たい夫が、私に恋をした日~
どこが“気持ちいい”のかなんて。

どこまでが“正しい愛され方”なのかなんて。

圭一郎さんは、私の反応に気づいたのか、小さく息を吐いた。

「……すまない。こんなに激しく、求めて。」

謝るように言う声が、耳元で熱を帯びて震える。

けれど、彼の動きは止まらなかった。

むしろ、その言葉の後の方が、どこか焦っているようにも見えた。

「……他に、抱く女はいない。君で……君だけで、満足したいんだ。」

その言葉に、胸がじわりと熱くなる。

どうしてこんなに――不器用で、真っ直ぐなの?

私は、うんうんと、何度も頷いた。

声には出せなかったけれど、気づいてほしかった。

私は、あなたに愛されたくて、ここにいるの。

「……梢っ!」

圭一郎さんが、息を荒くして私の名前を呼ぶ。

その瞬間、身体の奥に彼の熱が流れ込んだ。

心も身体も、また彼に染められていく。
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