契りの花嫁 ~冷たい夫が、私に恋をした日~
今日も、私は彼の体温でいっぱいになる。

それだけで――少しだけ、心が満たされた気がした。

でも本当は、体よりも、もっと深い場所に、

触れてほしかった。

行為が終わった後、私の体に残るのは、余韻と、ほんの少しの熱。

圭一郎さんは、そのまま私をふわりと抱き寄せた。

濡れた髪が私の額に触れ、鼓動の音が重なる。

「……気持ちよかったか?」

その問いに、私は恥ずかしさを押し殺して、小さく――けれど確かに頷いた。

「うん……」

すると彼は、ふっと満足そうに微笑んだ気がした。

そして、私の手を取り、優しくその甲に唇を落とした。

「夜伽は、子作りだけのものじゃない」

その言葉に、私は目を見開いた。

「女を、体で悦ばせる……それも、男としての誇りなんだよ。」

――つまり、私の体に彼の欲を受け止めてほしい、ってこと?

正直、まだよく分からない。

だけど、圭一郎さんの目が、まっすぐで、少しだけ熱を帯びていて――
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