とある幼なじみカップルのラブラブな日常

【愛結 side】

大彌は、あまり動揺することがない。

いつも冷静で、例え喧嘩をしても冷静に思いをぶつけてくる。

だから私達の場合“喧嘩にならない”


ある日の夕方。
私達は、ちょっとした言い合いをしていた。

《だから!大丈夫って言ってるでしょ!》

《ダメ》

《でも、大彌は仕事があるでしょ!》

《だから、明後日まで待ってって言ってるの。
一日くらい、どうってことないでしょ?》

明日、美容室に行く予定を入れていたのだけど、大彌に急な仕事が入ってしまい、大彌が明後日に変更させてもらおうと言ってきた。

《でも、一人で行けるよ!》
大彌の言う通り、別に明日が明後日になってもどうってことない。
でも、なんだか今日は虫の居所が悪い。

私は、大彌にぶつけるように手を動かした。

《ちゃんと、美容師に伝わるように説明出来るの?
前に一人で行って、思ってたのと違うカットされて、しばらく愛結、不機嫌だったでしょ?》

でも大彌は、至って冷静に反論してくる。

いつもそうだ。
結局私は何も言い返せず、ムスッと頬を膨らませるだけ。

そんな私を見て大彌が、笑いながら頬を突っついてきた。

《明後日にしよ?
で、帰りに愛結の好きなケーキ食べて帰ろうよ!》

うぅ…ケーキなんかにつられてたまるか!

《あと明日、○○のゼリー買って帰ってあげるから。
愛結、それも好きでしょ?》

え…!?ゼリー……
○○のゼリーは、捨てがたい。

更に大彌に頭を優しく撫でられ、私は言いくるめられたように頷いた。

《そろそろお風呂入って寝ようか!》

《私はもう少し起きてる。
大彌は明日仕事でしょ?
寝ていいよ》
なんだか負けた感で悔しくて、私はちょっと嫌味を込めて大彌に伝えた。

「………」
大彌の顔が切なくなって、不機嫌な顔になった。

(あ…ちょっと、意地悪だったかな……)と、自分が言ったことなのに切なくなっていると……

《良いの?》
と、やっぱり冷静に聞いてきた。

え?

《僕が先に寝たら、きっと腕枕出来ないと思うよ?》

え……

《愛結、腕枕しないと寝れないでしょ?》

あ……

《愛結が良いなら、僕は良いよ》

………

《とりあえず、お風呂入ろ?
それから決めな?
僕はどっちでもいいから》

そういって、大彌は私の手を引いてお風呂場へ向かった。


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