神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
窓から差し込む光が、床の絨毯に柔らかく映えている。

「どうぞ、聖女様。今日から、ここがあなたの場所です。」

ユリオ様がそう言ったとき、ようやく、私の足がこの王都の石の上に根を下ろした気がした。


「一時間後、国王、王妃、皇太子殿下との謁見がございます。」

ユリオ様の言葉に、私は思わず素っ頓狂な声を上げた。

「えっ? 急にですか?」

「はい。お着替えと準備はこちらで手配しております。」

淡々とした口調で告げられても、心の準備まではしてくれないらしい。

「明日には“信託の儀式”がございます。国王陛下より聖女への正式な任命、そして神殿からの信託の告示。それから――」

「ま、まだあるんですか?」

さすがにうろたえた私に、ユリオ様は、ほんの少しだけ声を潜めて続けた。

「……もう一つ。皇太子殿下から“お言葉”を賜ります。」

“お言葉”って……まさか、私にだけ?国王でもなく、神官でもなく――なぜ、皇太子?
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