神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
けれど、なんだかとても不思議な気がした。

神に選ばれた存在なのに、神の家には住めないなんて。

それは優しさ? それとも、隔たり?

「それって……誰が決めたんですか?」

問いかけると、ユリオ様は少しだけ笑って、こう答えた。

「代々の聖女です。」

思わず、私は瞬きをした。

「……聖女自身が?」

「ええ。すべての記録は聖女たちの言葉で編まれています。神の声を受け、その手で記し、次の時代へと残してきたのです」

「じゃあ、私も……いずれ?」

「いずれは。」

さらりとそう言われて、私は言葉を失った。

自分が、神の言葉を受けて、それを後代に伝える立場になる――

今はまだ、想像もできない。

「こちらが、あなたのお部屋です。」

そうして開かれた扉の向こうには、白と銀を基調にした、簡素だけれど温かみのある部屋が広がっていた。
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