神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「なぜ……皇太子殿下が?」

疑問を口にすると、ユリオ様は真面目な顔で答えた。

「聖女を支えるのは皇太子殿下と、先の信託に明記されております。」

「支える……?」

「はい。“聖女を守りし影は、王国の継承者なり”と。これは百年ぶりに下った“聖なる補助者の予言”に当たります。」

補助者。つまり……皇太子殿下が、私の“守護役”?

けれど、私はその顔も声も知らない。

お会いするのも、今日が初めて。

急に現実が押し寄せてきて、私は部屋の空気が薄くなるのを感じた。

「そんな大事なこと、もっと早く言ってくれれば……!」

「申し訳ありません、聖女様。順序立ててお伝えするよう、神殿の規則がございまして。」

「なんなんですか、それ……」

本音がつい口から漏れたけれど、ユリオ様は苦笑を浮かべるだけだった。

そう。

私の“聖女としての人生”は、もう始まっている。

問答無用で。容赦なく。

それでも、私は逃げられない。
< 11 / 162 >

この作品をシェア

pagetop