神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
……だけど、心のどこかで感じていた。

この先に、何かが待っていると。

それが運命か、奇跡か、それとも――

そして、一時間後。

私は神殿付きの侍女たちに着替えさせられ、柔らかな金の刺繍が施された純白のドレスに身を包んでいた。

鏡の中の自分は、どこか他人のようだった。

こんなにきらびやかに着飾っても、心はまだ、名もなき村の娘のまま。

けれど――もう、戻れない。

謁見の間は、静まり返っていた。

私の靴音だけが石の床に響き、玉座の奥から伸びる赤い絨毯を、一歩ずつ進む。

正面に並ぶ三人の姿。

中央に座すのが、国王陛下。

その隣に控える、優雅で威厳のある王妃陛下。

そして、その一歩後ろに立つ――長身の青年。

私が膝をついて一礼をすると、国王陛下がゆっくりと立ち上がった。

「ああ、聖女殿。……またお会いできたな。」

まるで懐かしい人にでも会ったかのような声音だった。
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