神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
そして私たちは、魔女討伐の準備を始めた。

「カストル・ノクティスに行くには、嘆きの森を通らなくてはならない。」

そう告げた騎士団長の顔には、かすかな怯えの色があった。

「嘆きの森……」

私は思わずその名を繰り返す。

「人が入れば、二度と帰れないという魔の森。」

レオが言いながら、私の手を強く握った。

彼の掌は少しだけ汗ばんでいて、それがかえって、彼の覚悟の深さを伝えてくる。

「エミリア、怖くはないのか?」

「……怖いよ。でもね。」

私は微笑んだ。できるだけ、強く、彼を支えるように。

「レオナルトには、私がついているから。」

その言葉に、彼は目を見開いた後、すぐに穏やかな笑みを浮かべた。

「……そうだった。君は、この時代に舞い降りた聖女だったな。」

「ええ。そしてあなたは、私の王になる人。だから、共に進むの。何が待っていても。」

風が、城の窓を抜けるように流れた。
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