神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
カストル・ノクティス――

それは魔女たちの残した最期の砦。

かつて聖女サエーナが愛と魔力で浄化しようとした、闇の根源。

だが、今こそ――

私たちが、その地に愛の光を灯す時。

そして私たちは、ついに宮殿を出発する時を迎えた。

「行ってまいります、父上。」

私は国王――レオの父であるアレクシオ陛下に一礼した。

「ああ、武運を祈るぞ、聖女よ。そして……レオナルト。」

王は深く頷き、彼の息子に王家の誇りを託した。

私が馬に乗ろうとした、そのとき――

「エミリア。」

レオが、そっと手を差し伸べてきた。

「一緒の馬に乗ろう。」

「えっ……でも、それは……」

さすがに人目もあるし、騎士団の視線も気になる。

けれど、レオはどこか寂しげに言った。

「片時も、君と離れたくないんだ。」

その一言が、胸に染みた。

不安なのは私だけじゃない。
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