神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「なんだって⁉」

レオの目が驚きに見開かれる。

「このカストル・ノクティスにも、かつて王族が舞踏会に招かれ、魔女たちと交流をはかった。その中で――魔女クラディアは、若き皇子・レグナスと恋に落ちたのだ。」

「初代建国の王と⁉」

レオは、驚愕の声を上げた。

「……嘘だろ。そんなこと、歴史には――」

「記されていないのは当然!」

クラリーチェの目が怒りで紅く染まる。

「クラディアとレグナスは、互いを理解し、心を通わせ、愛を育んだ。魔女と人間――種を超えた恋だったが、それでも、二人は結婚の契りを交わしたのだ。」

「じゃあ……クラディアは、裏切られたの?」

私の言葉に、クラリーチェの肩が小さく震える。

「クラディアを裏切り、レグナスを奪ったのは……クラディアの親友、聖女サエーナだったのよ!」

衝撃的な言葉に、私はレオと顔を見合わせた。

あの伝説の聖女が――?
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