神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
レグナス王と共に国を築いたとされる、あの聖女が?

「サエーナは、自分の恋がクラディアに奪われるのを面白くなかった……」

クラリーチェは、悔しげに唇を噛みしめる。

「だから奪った。レグナスの心を。そして……」

その目から、ぽろりと涙が落ちた。

「……その上、親友だったクラディアを、“魔女”として告発し、レグナスと共に討ったの。愛と嫉妬、そして……名誉のために!」

息をのむ私の横で、レオは硬く拳を握った。

「それが真実だというのか……」

「真実よ!」

クラリーチェは叫ぶように言った。

「サエーナは、王家に祝福された“聖女”という肩書を守るために、クラディアを歴史の闇に葬った! そしてその名を、千年語り継がせたの!」

クラリーチェは静かに立ち上がった。

その目は、どこか哀しみに濡れ、それでも確信に満ちていた。

「クラディアは、討たれてもなお魂をこのカストル・ノクティスに留めた。自らの血を絶やさず、代々、子を残し続けることで――
その魂は、次第に魔力を増幅していったのよ。」
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