神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
その言葉に、どこか聖女のような凛とした気配を感じた。

彼女もまた、祈っているのだ。二度と過ちが繰り返されないようにと。

レオは黙って頷き、そっと彼女の肩に手を置いた。

「君が選ぶ道が、どうか光に包まれていることを願うよ。」

クラリーチェは小さく微笑み、それに応えるように一礼した。

「ありがとう、レオナルト。――さようなら。」

そして彼女は、ゆっくりと踵を返し、嘆きの森の奥へと歩き出した。

その背に吹く風は、どこか暖かかった。

帰り道、嘆きの森に光が差し込んでいた。

「あれ……騎士団長、俺たち……」

魔力に囚われていた騎士たちが次々と正気に戻る。

「一緒に帰ろう。宮殿へ。」

レオの言葉に、騎士団長も静かに頷いた。
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