神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
私たちが宮殿へと帰る道すがら、夕日が地平に沈みかけていた。

レオは、クラリーチェの隣を歩きながら言った。

「……今まで通り、宮殿で暮らしてもいいんだ。」

クラリーチェは立ち止まり、ゆっくりと首を横に振った。

「そのお気持ちは、嬉しいわ。でも……私はやはり、魔女として生きるしかない。」

その声は静かで、けれど確かな覚悟が込められていた。

――魔女として生まれた人。
――聖女として生まれた私。
――そして、王となるべくして生まれたレオナルト。

私たちは、それぞれ違う血と運命を背負っていた。

けれど、どこで違いが生まれたのだろう。

それとも、違いなど最初からなかったのだろうか。

クラリーチェは、空を見上げた。

「これからのサエルヴァ家は……マル=ナルのような怨念を生まぬよう、魔力を律し、見守る者たちの家系でありたい。」
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