神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
でも、私はこの重みから逃げない。

もう、選ばれてしまったのだから。

それに――

昨日、あの人が言ってくれた言葉がある。

『とりあえず、敵が攻めてきたら、君を真っ先に守るつもり』

――あの、金色の瞳の中の私を、私は信じたい。

「では、皇太子、レオナルト殿下からお言葉を賜ります。」

その声に私は、背筋を伸ばした。

昨日の彼――あの、金色の瞳で笑いながら「とりあえず守るよ」と言っていたあの人は、そこにはいなかった。

代わりにいたのは、まさに“皇太子殿下”そのものの、気品に満ちた男性だった。

その視線が私に向けられた瞬間、空気が変わる。

玉座の間にいる全ての人が、呼吸を浅くするほどの、威厳と静けさ。

「聖女、エミリア。」

「……はい。」

私は震える声を押し殺しながら、応えた。

「よくぞ、この時代の聖女として、その役割を引き受けてくれた。神殿に代わり、そして国民に代わり――感謝を申し上げる。」
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