神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「私に浄化の許可を、ください。」

しばしの沈黙の後、レオナルト様はゆっくりと口を開いた。

「……浄化。君が穢土を治すというのか。」

「はい。確証はありません。でも、やらなければ、きっと後悔します。」

すると彼は、ふっと息を吐いて微笑んだ。

「……君って、不思議な子だね。」

「え?」

「王都に来たばかりなのに、もう“この国の未来”の心配をしてる。」

レオナルト様は近づくと、私の両肩に優しく手を置いた。

「許可する。いや、命じよう。聖女・エミリアよ――この国を、癒してくれ。」

彼の瞳が真剣に、私だけを見ていた。

「……君を信じる。だから、危険があれば、すぐに俺を呼べ。俺は、君の“守護役”だからな」

その言葉に、胸がじんと熱くなった。

(レオ様……)

私は静かに頷いた。

この国を救うため、私の“聖女としての本当の役目”が、今始まる。
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