神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「そう言えば、王国の一角で土が汚染されていると……」

レオナルト様が不思議そうに言った。

「穢土!」

私は、反射的に叫んでいた。

「えっ?……えど?」

レオナルト様が、不思議そうに首を傾げる。

私は一歩近づき、冷静に、でもはっきりと告げた。

「汚染された土のことです。このままでは……作物が実らなくなり、やがて国が飢え、滅びに向かいます」

その言葉に、レオナルト様の表情が変わった。

あの柔らかな金色の瞳が、鋭く細められる。

「君が……それを知っているのは、信託か?」

「いいえ。……私の力が、反応したんです。」

私は掌を見つめる。

先ほど花を蘇らせた時、確かに熱が走った。

「私に……この国の穢れを癒やす力があるのなら、使いたいんです。」

そう言って、私は彼の瞳を真正面から見つめた。

「レオ……様。」

初めて、その名を口にした。

胸の奥で、何かが震えた。
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