紳士な弁護士と偽りデートから
会社を辞めました!
海都とラグジュアリーな時間を過ごしたあかりは満足したのか、あれから二週間が過ぎていた。
こんな時間帯に外へ出るなんて、休日以来だわ! 有給を使って出かけるということをしないあかり。あかりはわくわくしながら【北欧のそよ風】に向かっていた。
茜音、驚くわよね。こんな時間帯に行くなんてどれだけ、びっくりするだろう。
わくわくしながら喫茶店の扉を開ける。
「いらっ......えっ?!」
振り向き様に茜音は驚いた。
「どうしたのよ? あかり!」
たまたま常連客の部長も、息抜きにコーヒーを飲んでいたところだ。
「有給を使って休んだのかい? それとも、これから海都とデートとか?」
周平はにこにこしながら言った。
「まさか! そんな仲じゃないですよー、あれから会ってないですし」
屈託なく言うあかり。
海都が聞いていたらさぞ悲しむだろう、発言である。
息子には言わない方がいいな、と思う周平。
「それじゃあ、どうして?」
二人の同時な声。
「会社を辞めてきたの!」
あかりの嬉しそうな声に、周平は口に含んだコーヒーを吹いてしまう。
「や、辞めた?!」
「はーい」
あかりは嬉しそうに、そう返事をした。
「こ、こんな優秀な人材を、人事部は辞めさせたのか!?」
温厚な周平が興奮して声を上げた。
「一週間は掛かりましたねー」
「だ、だが、人が減って大変だろう? 経理部、立て続けに人が辞めて!」
「ま、まぁまぁ落ち着いて下さい」
茜音が必死で、興奮している周平を止めた。
「す、すまない。ついうっかり取り乱した」
「取り乱しますよね、わたしもですもの!」
茜音も言った。
動揺させた張本人は、のんびりしている。北欧風サンドイッチと、コーヒーを頼んだ。
「こんな取り乱しているのに、注文など出来る?!」
茜音は声を上げて、お店を一先ずcloseにした。
「詳しく話を聞かせてもらおうじゃない?」
「せ、せめてコーヒーを下さい」
あかりはどぎまぎしながら、コーヒーを頼む。
「わたしもお代わり......」
周平も頼んだ。
周平が頼んだお陰で、コーヒーを注文することが出来た。
「また、どうしたのよ?」
茜音はコーヒーを入れながらそう訊ねた。あかりは周平の隣に腰かける。
「他にもやりたい仕事を見つけたの」
「やりたい仕事かね?」
と、周平。
「匠を泳がせる為に、演技していたのが、爽快で楽しくて!」
「............」
人を騙すのが、そんな楽しいかな? と、思った二人はうーん、と、唸った。
「ひょっとしたら、計算より違う職業があるんじゃないかって、思い始めたの」
「それで辞めたんだ......」
「貯金そこそこあるし、なんせ実家暮らしだから」
「お、親は反対しなかったのかい?」
「はい」
あかりはにっこりした。
両親はきっとこんな感じなのだな、と、思う周平である。
「やりたいものをやってみろ、な、両親なので」
「そう言えば、あかりの両親ってそうよねぇ」
茜音は納得した。
「......なりたい職業とかあるんですか?」
「はい!」
「返事はいいわね」
「それで、どんな......?」
「探偵事務所です」
「た、探偵事務所?!」
二人は声を上げた。
「き、危険だっ!!」
周平は80年代に流行った某ドラマを連想させて、そう叫んだ。
こんな時間帯に外へ出るなんて、休日以来だわ! 有給を使って出かけるということをしないあかり。あかりはわくわくしながら【北欧のそよ風】に向かっていた。
茜音、驚くわよね。こんな時間帯に行くなんてどれだけ、びっくりするだろう。
わくわくしながら喫茶店の扉を開ける。
「いらっ......えっ?!」
振り向き様に茜音は驚いた。
「どうしたのよ? あかり!」
たまたま常連客の部長も、息抜きにコーヒーを飲んでいたところだ。
「有給を使って休んだのかい? それとも、これから海都とデートとか?」
周平はにこにこしながら言った。
「まさか! そんな仲じゃないですよー、あれから会ってないですし」
屈託なく言うあかり。
海都が聞いていたらさぞ悲しむだろう、発言である。
息子には言わない方がいいな、と思う周平。
「それじゃあ、どうして?」
二人の同時な声。
「会社を辞めてきたの!」
あかりの嬉しそうな声に、周平は口に含んだコーヒーを吹いてしまう。
「や、辞めた?!」
「はーい」
あかりは嬉しそうに、そう返事をした。
「こ、こんな優秀な人材を、人事部は辞めさせたのか!?」
温厚な周平が興奮して声を上げた。
「一週間は掛かりましたねー」
「だ、だが、人が減って大変だろう? 経理部、立て続けに人が辞めて!」
「ま、まぁまぁ落ち着いて下さい」
茜音が必死で、興奮している周平を止めた。
「す、すまない。ついうっかり取り乱した」
「取り乱しますよね、わたしもですもの!」
茜音も言った。
動揺させた張本人は、のんびりしている。北欧風サンドイッチと、コーヒーを頼んだ。
「こんな取り乱しているのに、注文など出来る?!」
茜音は声を上げて、お店を一先ずcloseにした。
「詳しく話を聞かせてもらおうじゃない?」
「せ、せめてコーヒーを下さい」
あかりはどぎまぎしながら、コーヒーを頼む。
「わたしもお代わり......」
周平も頼んだ。
周平が頼んだお陰で、コーヒーを注文することが出来た。
「また、どうしたのよ?」
茜音はコーヒーを入れながらそう訊ねた。あかりは周平の隣に腰かける。
「他にもやりたい仕事を見つけたの」
「やりたい仕事かね?」
と、周平。
「匠を泳がせる為に、演技していたのが、爽快で楽しくて!」
「............」
人を騙すのが、そんな楽しいかな? と、思った二人はうーん、と、唸った。
「ひょっとしたら、計算より違う職業があるんじゃないかって、思い始めたの」
「それで辞めたんだ......」
「貯金そこそこあるし、なんせ実家暮らしだから」
「お、親は反対しなかったのかい?」
「はい」
あかりはにっこりした。
両親はきっとこんな感じなのだな、と、思う周平である。
「やりたいものをやってみろ、な、両親なので」
「そう言えば、あかりの両親ってそうよねぇ」
茜音は納得した。
「......なりたい職業とかあるんですか?」
「はい!」
「返事はいいわね」
「それで、どんな......?」
「探偵事務所です」
「た、探偵事務所?!」
二人は声を上げた。
「き、危険だっ!!」
周平は80年代に流行った某ドラマを連想させて、そう叫んだ。