影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
胸元に。

首筋に。

そして、彼が私にいつもしてくれたように、鎖骨へ。

お腹へ。

熱を帯びた彼の体に、ひとつずつ、愛を刻むように。

「私も……あなたを感じたいの。あなたを、満たしたいの。」

唇が震える。指先も熱い。

でも、逃げなかった。

それは、私が“愛されるだけの女”じゃないことを、

ちゃんと、誠一郎さんに伝えたかったから。

彼だけの女として、彼を悦ばせる喜びを――やっと、知りたくなったから。

そしていよいよ足元に口づけをする。

「んん……」

これが誠一郎さんの熱情。上手く愛せてるかしら。

「梨沙、ああ……」

誠一郎さんの声が私に届く。

「梨沙、もうダメだ。こんなこと……」

「もっと気持ちよくなって……」

ああ、誠一郎さんも私に対していつもこんなことを思っているのかしら。

「ああ、ああっ!梨沙、もう俺っ!」

その瞬間、誠一郎さんの情熱が出た。
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