影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
私の顔をちらと見て、彼は言葉を続けた。

「疲れているなら、無理はしなくていい。明日にしても……」

「……いいえ。」

私はそっと、誠一郎さんの手を取った。

その手は、大きくて、ぬくもりがあって、頼りがいがあって――

そして、私のすべてを受け止めてくれる気がした。

「もう私は……あなたの妻ですから。」

そう微笑んだ瞬間、誠一郎さんの瞳がわずかに揺れて、次の瞬間、私の肩をそっと押してきた。

「――梨子。君を……俺のモノにする。」

寝台の上、やわらかく押し倒された身体。

浴衣の裾がふわりと広がり、彼の手が私の肌に触れる。

「ん……っ」

それだけで、思わず声が漏れる。

初めての感触。

初めての熱。

まるで、火がついたように、身体の奥がきゅうと熱くなる。

「可愛いな……触れただけで、こんなに感じるなんて。」

誠一郎さんは、私の頬に口づけ、そのまま首筋、鎖骨へと唇を這わせてくる。
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