影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
私は唇を噛んだ。

その言葉は、私の存在すべてを否定するものだった。

「では、その梨子さんに会いに行きましょう。」

誠一郎さんはきっぱり言った。

「彼女に会えば、分かって頂けるはずだ。」

「了解した。」

お父様とお母様は行ってしまった。


寝室にやってきた私は、泣いて謝った。

「申し訳ありません。」

誠一郎さんは私を抱きしめた。

「梨沙。辛い思いをさせた。」

「誠一郎さん……」

「違う名前で抱かれるのは、自分を否定されることだ。許されることじゃない。」

私は首を横に振った。

「いいんです。だましていたのは、私の方です。」

誠一郎さんの目が、私をまっすぐに捉えた。

そして、私をそっとベッドに押し倒す。 

「では、今夜は本物の愛を手に入れよう。」

言葉と共に、私たちは服を脱ぎ合った。

もう隠し事も、遠慮もない。

ただ、互いの真実と向き合う夜。
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