影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
私はゆっくりと身を起こした。

そして、軍三郎さんの手を取り、かすかに震える声で言った。

「……今夜、あなたの妻になります。」

覚悟を見せた。

「では、これを。」

頭を抑えられた。目の前には雄々しきモノが。

「舐めてみろ。」

できない。そんなことしたくない。

固まっていると、「そうか。まだできないのだな。」

そして軍三郎さんは布団に横になった。

「ほら、上から攻めてみろ。」

それが分からない。こんなんじゃ、誠一郎さんの子供を守れない。

「ううっ……」

涙が、勝手にこぼれていた。喉の奥がつまって、声にならない。

誠一郎さん……助けて……そんな言葉が喉の奥で渦巻く。

「なんじゃ、なぜ泣く?」

軍三郎さんの声は、意外にも呆れたようで、少しだけ優しさが混じっていた。

「そんなに……わしが嫌か?」

私は、首を振ることもできなかった。

嘘でも「嫌じゃない」と言えば、全てが進んでしまう気がして。
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