小夜啼鳥

その綺麗な思い出を穢したのは大人だった。
渦巻く醜い感情。

両親の庇護のもと、信頼を寄せて安堵していたはずなのに。
嫌悪に変わる。

何が悪いのか何て、私は知りたくないし考えたくもない。
由緒?歴史?そんなの、私にとってはどうでもいい事。

「七帆、自分の想いを大切にして。周りが気になるとしても、あなたの将来はあなた自身が決めるんだから。」

私の想い。気持ち。感情。願い。望み。
藤九郎の言葉が胸を熱くする。

信じてみよう。
……そう、思ったのに。


「あいつは、俺のだ!“昔から決まっていた事”を、最近になって現れたお前が変えられない。あきらめろ!」

一栄と学校に到着して、周りから騒ぎを聞いて現場に到着してみれば。
越水くんに対して、藤九郎が叫んだ言葉が耳に入った。

『昔から決まっていた事』

変えられない未来。
そこにある私の想いは、藤九郎と同じではないのかもしれない。

藤九郎と越水くんが、私の方に目を向けた。

「勝手な事、言わないで。私は変えてみせる。その為なら未来も、自分の心や想いも。全てが無駄になってしまったと思うくらいなら。」

捨てる。
抗ってみたい。

「七帆!」

睨んだ私に、藤九郎が名前を叫んで必死な表情で迫る。


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