三度目の結婚 〜最初から相手は決まっていたようです〜

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 滅亡の前に命からがら脱出したものの、当然、大手を振っては帰れない。

 かつて暮らしていた離宮の、さらに外れの小さな宮に転がり込んで息をひそめているうちに、今度は南の異国からラブコールが届いた。

 なんのことはない。

 後宮(ハーレム)構成の一員としてである。

 「忘れ花」としてひっそり、しかし、しぶとく生きていたコーディアナにとって、南の帝国ハッ・ティバへ嫁ぐのは恐ろしい反面、このランダール王国で無駄飯食らいをしているより胸を張って生きられるように思えた。

 しかし、一夫多妻の国である。

 夫と妻、一夫一妻制の中で育ってきたコーディアナには、蛮族の悪習のように思えた。

 だからいったんは断ったのである。
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