三度目の結婚 〜最初から相手は決まっていたようです〜

6

「あいつはまあ、小さいころから底意地が悪かったわ……」

 コーディアナは虚空を見つめた。

 第二王子に対する愚痴なら、枚挙にいとまがない。

 王子はとにかく、傍流も傍流のコーディアナが気に入らないのだ。

「いいえ、あれは裏返しなのですわ」

 エリンなどはそう、したり顔でうなずくのだが、何がどう裏返しなのかコーディアナにはわからない。

幼いころにはコーディアナの金髪をひっぱり、金まだらの瞳が動物のようで気味が悪いと叫ぶわ、公国から出戻ってきてからは、きれいなドレスを取り上げたり、届くはずの食事を止めてみたり、悪意しか見えないのだから。



 ――幼いころのいたずらは、すべて照れ隠しですわ。

 ――少し大人になってからのあれこれは、姫様が害されるのを止めるためですわ。



 いつもエリンが何か言うが、彼女はたぶんシヴァルファスに買収されているのだ。

 実際そのたびに、誰かからもらったとかいう美味しい食べ物を分けてくれた。シヴァルファスからの賄賂に違いない。
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