売られた少女はクールな闇医者に愛される
雪菜は目を開けた。

見渡すとそこには誰もいない。

私はいったいどうなったんだろう?
病院とは少し違う雰囲気を感じるが、点滴をされ、口には酸素呼吸器が付けられていた。


ゆっくり体を起こす。動くと呼吸は苦しい。

ヒューヒュー、ゼーゼーとあきらかな発作症状がでる。バイタルモニターがピピピピピと鳴り、点滅ランプが光る。

襖が開けられると慌てるように若い男が入ってきた。

「大丈夫か!呼吸苦しいな。」

男はそう言って酸素マスクを一瞬だけ外し、気管支拡張の吸入薬をシュッと入れてくれる。

苦しくて、しんどい·····

「このまま頑張って意識保って。」

返事をしようと思うが、声はでず、頷くことしか出来ない。
男は聴診器をあててから、急いでステロイドの入った点滴を入れる。

背中をさすってもらう。少し楽にはなってきたが、なかなか喘鳴は治まらない。

「もう1回、吸入しようか。」

男はそう言って、もう1度吸入薬をシュッと入れてくれた。

しばらくすると、少しずつ呼吸が整ってくるのが分かる。

再度聴診器をあてて、症状を確認してから、背中をさする手が外された。
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