売られた少女はクールな闇医者に愛される
冬弥は雪菜の眠る部屋に戻り、彼女を眺める。

体の治療をするだけだと思ってたが、どうやら精神面の回復にも関わらないといけなくなった。組長からも直々に頼まれてしまったため、やるしかない。

寄り添うね·····。
話したこともない女になんて言えばいいんだか·····。

極道の医術には精神的サポートなんていうものは存在しない。弱い者は負け、強い者だけが生き残るそういう世界だ。医術を教えてくれた人からも精神なんて言葉、1度も聞いたことがない。

冬弥はため息をついた。
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