彼がくれたのは、優しさと恋心――司書志望の地味系派遣女子、クールな弁護士にこっそり愛されてました
「林原さん、すみません、付箋、あります?」
「もちろん。どうぞ」
「ありがとう」
雨宮先生は、カウンターの上に差し出された大き目の付箋に、ワイシャツの胸ポケットから取り出した万年筆で、さらさらとメモを書いた。
・来週末、家の現地チェック
・再来週(月)、契約書ドラフト提出
「はい」
そして私に差し出す。
「……家、見にいらっしゃるんですか?」
「見ないと、的確なアドバイスができない。本、しっかり読んでおいて。俺が話すことを理解するベースになるから。土曜がいい? 日曜? 俺は両方空いてるから、あとで野崎さんの都合のいい時間、教えて。あ、連絡は職場メールじゃなくて、プライベートの方に」
先生が付箋に携帯番号を書いてくれたので、私も林原さんにもらった付箋に自分の番号を書いて、渡した。先生がごく自然にそうしたからつられちゃったけど、よく考えたら、雨宮先生とプライベートの連絡先を交換するって、けっこうすごいことじゃないだろうか。
「――わかりました」
そう答えながらも、私はどきどきしていた。
冷静になって考えれば図々しいのだけど、てっきり雨宮先生が契約書を作ってくれるものだとばかり思っていた。それがまさか、自分で? 本を読んで勉強もして? これじゃまるで、雨宮先生の下で働く若手弁護士みたいだ。
本当にできるのだろうか。
やっぱり無理ではないだろうか。
「もちろん。どうぞ」
「ありがとう」
雨宮先生は、カウンターの上に差し出された大き目の付箋に、ワイシャツの胸ポケットから取り出した万年筆で、さらさらとメモを書いた。
・来週末、家の現地チェック
・再来週(月)、契約書ドラフト提出
「はい」
そして私に差し出す。
「……家、見にいらっしゃるんですか?」
「見ないと、的確なアドバイスができない。本、しっかり読んでおいて。俺が話すことを理解するベースになるから。土曜がいい? 日曜? 俺は両方空いてるから、あとで野崎さんの都合のいい時間、教えて。あ、連絡は職場メールじゃなくて、プライベートの方に」
先生が付箋に携帯番号を書いてくれたので、私も林原さんにもらった付箋に自分の番号を書いて、渡した。先生がごく自然にそうしたからつられちゃったけど、よく考えたら、雨宮先生とプライベートの連絡先を交換するって、けっこうすごいことじゃないだろうか。
「――わかりました」
そう答えながらも、私はどきどきしていた。
冷静になって考えれば図々しいのだけど、てっきり雨宮先生が契約書を作ってくれるものだとばかり思っていた。それがまさか、自分で? 本を読んで勉強もして? これじゃまるで、雨宮先生の下で働く若手弁護士みたいだ。
本当にできるのだろうか。
やっぱり無理ではないだろうか。