彼がくれたのは、優しさと恋心――司書志望の地味系派遣女子、クールな弁護士にこっそり愛されてました
私は身構え、そして振り返った。
「――どうして、ここに?」
香奈ちゃんは肩をすくめて愛らしい笑顔を見せると、私の質問には答えず話し始めた。
「狙っても無理ですよ、雨宮先生」
「え?」
「野崎さん、たまに先生をここに呼び出して、おにぎり渡してるでしょ。あざといなあ、手作りで気を引こうなんて。しかもおにぎりって、なんか昭和。先生、優しいから受け取っちゃうけど。迷惑だと思ってても言えないタイプだから」
「え――」
何も言い返せなかった。
香奈ちゃんの言葉は、私の心を抉った。
先生、美味しいって言ってくれていたけれど。
本心では迷惑だった?
ううん、そんなはずは。だって、お礼はおにぎりでいいって、自分で言ったこともあったし。でももしかして、私がしつこくお礼したいって言ったから、困って言っただけとか――?
「おにぎりって、手で握るじゃないですか。家族でも彼女でもない人の握ったものって、普通、ちょっと嫌じゃないですか?」
「――そんな」
それだけ返すのが精いっぱいの私を見て、香奈ちゃんはまだ笑顔だ。
「仮に百歩譲って、先生がおにぎりを美味しいと思っていたとしても。落とすのは無理ですよ。だって先生にはちゃんとした相手がいますから」
「――どうして、ここに?」
香奈ちゃんは肩をすくめて愛らしい笑顔を見せると、私の質問には答えず話し始めた。
「狙っても無理ですよ、雨宮先生」
「え?」
「野崎さん、たまに先生をここに呼び出して、おにぎり渡してるでしょ。あざといなあ、手作りで気を引こうなんて。しかもおにぎりって、なんか昭和。先生、優しいから受け取っちゃうけど。迷惑だと思ってても言えないタイプだから」
「え――」
何も言い返せなかった。
香奈ちゃんの言葉は、私の心を抉った。
先生、美味しいって言ってくれていたけれど。
本心では迷惑だった?
ううん、そんなはずは。だって、お礼はおにぎりでいいって、自分で言ったこともあったし。でももしかして、私がしつこくお礼したいって言ったから、困って言っただけとか――?
「おにぎりって、手で握るじゃないですか。家族でも彼女でもない人の握ったものって、普通、ちょっと嫌じゃないですか?」
「――そんな」
それだけ返すのが精いっぱいの私を見て、香奈ちゃんはまだ笑顔だ。
「仮に百歩譲って、先生がおにぎりを美味しいと思っていたとしても。落とすのは無理ですよ。だって先生にはちゃんとした相手がいますから」