彼がくれたのは、優しさと恋心――司書志望の地味系派遣女子、クールな弁護士にこっそり愛されてました
11.転機
午後の仕事は、きつかった。
派遣とはいえ責任感を持って働こうと、職場にいる時は集中力を切らさないようにしている。けれど香奈ちゃんの発言の後では、難しかった。
気付けば、言われたことを反芻してしまう。
バツイチ、元奥様、復縁――私には関係ないことだけど、でも、悲しい。
請求書の数字の間違いに何度も気づいて、訂正した後。
気分転換しようと向かったカフェスペース。
コーヒーを淹れていると、ドアの開く音がして、「あ、野崎さん」と声をかけられた。
雨宮先生だ。
どうしよう、振り向けない。先生の親切に浮かれ過ぎていた自分が、恥ずかしい。
「どうした、固まって?」
けれど先生は私の気持ちを知るはずもなく、そばに来ると、のぞき込むようにした。
ふわりと漂う微かな香水の香り、優しい微笑。目が合う。
瞬間、私は悟った。
私――雨宮先生が、好きだ。
派遣とはいえ責任感を持って働こうと、職場にいる時は集中力を切らさないようにしている。けれど香奈ちゃんの発言の後では、難しかった。
気付けば、言われたことを反芻してしまう。
バツイチ、元奥様、復縁――私には関係ないことだけど、でも、悲しい。
請求書の数字の間違いに何度も気づいて、訂正した後。
気分転換しようと向かったカフェスペース。
コーヒーを淹れていると、ドアの開く音がして、「あ、野崎さん」と声をかけられた。
雨宮先生だ。
どうしよう、振り向けない。先生の親切に浮かれ過ぎていた自分が、恥ずかしい。
「どうした、固まって?」
けれど先生は私の気持ちを知るはずもなく、そばに来ると、のぞき込むようにした。
ふわりと漂う微かな香水の香り、優しい微笑。目が合う。
瞬間、私は悟った。
私――雨宮先生が、好きだ。