あなたの子ですが、内緒で育てます
「たくさんの人が大広間に集まってきてる」
ルチアノの目には、今日のパーティー会場が見えるのだろう。
デルフィーナは、私に恥をかかせるつもりで、このパーティーを開いたのだ。
――いいえ、デルフィーナの狙いは、私だけではない。
質素なドレスを着た私たち親子を笑い者にするつもりだったのだ。
「セレーネ様! 笑顔ですよ、笑顔!」
「怖い顔になってます!」
侍女たちが部屋を出る時、声をかけてくれた。
「ザカリア様とセレーネ様が並んでいたら、国王陛下夫妻だって、敵いません!」
「ぼくは!?」
「ルチアノ様も」
ついでのように足されたからか、ルチアノは頬を膨らませていた。
「そうね。負けないわ」
信頼できる侍女たちを王宮に連れてきて、正解だったと思った。
大広間に入ると、七年前と変わらない世界が広がっていた。
懐かしく感じる。
「セレーネ様よ!」
「お隣にいるのって、ザカリア王弟殿下ではなくて?」
「美男美女で素敵ねぇ」
「こう言ってはなんだけど、国王陛下夫妻が霞んでしまうわね」
ルチアノの目には、今日のパーティー会場が見えるのだろう。
デルフィーナは、私に恥をかかせるつもりで、このパーティーを開いたのだ。
――いいえ、デルフィーナの狙いは、私だけではない。
質素なドレスを着た私たち親子を笑い者にするつもりだったのだ。
「セレーネ様! 笑顔ですよ、笑顔!」
「怖い顔になってます!」
侍女たちが部屋を出る時、声をかけてくれた。
「ザカリア様とセレーネ様が並んでいたら、国王陛下夫妻だって、敵いません!」
「ぼくは!?」
「ルチアノ様も」
ついでのように足されたからか、ルチアノは頬を膨らませていた。
「そうね。負けないわ」
信頼できる侍女たちを王宮に連れてきて、正解だったと思った。
大広間に入ると、七年前と変わらない世界が広がっていた。
懐かしく感じる。
「セレーネ様よ!」
「お隣にいるのって、ザカリア王弟殿下ではなくて?」
「美男美女で素敵ねぇ」
「こう言ってはなんだけど、国王陛下夫妻が霞んでしまうわね」