あなたの子ですが、内緒で育てます
 元々、ルドヴィク様は華やかな雰囲気が好きで、今日のパーティーも楽しみにしていたはずだ。
 それを壊そうとしたデルフィーナをよく思わなかったようだ。
 
「明るい曲を奏でよ」

 楽隊たちが奏でる明るい曲が、大広間を満たす。

「許さない……許さないわっ!」

 デルフィーナは王妃であるにも関わらず、感情をあらわにすると、大広間から飛び出していった。
 
「今まで、王妃に好き放題させていた王も、とうとう見限ったか」
「ルチアノ様がいてくださってよかった」

 貴族たちは口々にそう言い、私の元へやってくる。

「セレーネ様が王宮へお戻りになられ、町も美しさを取り戻しつつある」
「デルフィーナ王妃が破壊した町を修復しているとか」

 去ったデルフィーナのことが気になったけど、貴族たちの対応もある。
 それに、彼らの協力が必要だった。

「ええ。今は王都だけでなく、領地内を整えておりますの。皆様のお力をお借りしたいのです」
「我々でご協力できることがあるのなら、喜んで」
「セレーネ様の評判は噂で聞いております。人々の信頼も厚く、今日は協力を申し出るつもりで、やってまいりました」
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