あなたの子ですが、内緒で育てます
 ザカリア様や大臣たちと話し合った結果、ルドヴィク様が退位しても、王族としての権利や財産を与えず、離宮にて過ごすことが決まった。
 幽閉に近い生活である。

「そして、デルフィーナ。あなたは修道院へ行き、神に仕え、残りの人生、人々のために尽くしてください」
「わ、わたくしが修道女に……?」
「処刑されなかっただけ、ありがたいと思え。お前は王の弟である俺と、王子、王子の母親の命を狙った罪人だ」

 当然、死刑にするべきという声も出た。
 けれど、それよりも、デルフィーナは虐げた民への贖罪をしながら、生きたほうがいいと判断した。

「修道院で暮らせば、時々はロゼッテにも会えるわ」
「セレーネ。なぜ、わたくしを殺さないの? わたくしなら殺していたわ!」

 夫と王妃の地位を私から奪ったデルフィーナ。
 もちろん、過去を思い出して苦しくなる日もある。
 けれど、私は――

「あなたを殺さないのは、私がルチアノの母親だからよ」
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