あなたの子ですが、内緒で育てます
 ジュストの部下たちが戻り、俺の護衛につく。
 大臣たちは丸腰だ。
 さすがのタヌキたちも怯む。

「セレーネが王の子を産み、俺が後見人になることはお前たちにとって、計算外だったはずだ。王宮の外で育った王子はどれだけぶりだ?」

 大臣たちが王を操り、宮廷を動かしてきた。
 そのために与えられた責務に従順な王妃が必要であり、なにもかも他人任せな王でなければならなかった。
 
「デルフィーナが王妃になっても、妃候補の教育を受けていた。だから、セレーネの代わりに王妃になることを止めなかった。そうだろう?」

 目に見えて、大臣たちは動揺していた。
 ジュストの部下たちが出入り口をふさぎ、大臣たちを逃げられないようにした。
 そこで、ようやく大臣たちは認めた。

「……ご明察の通りでございます」
「しかし、王家を守るため、そうするしかなかったのです。力を持つ子が継承するため、王に相応しいと思えない王が誕生する。そうなれば、国が滅びてしまう……」
「お前たちがいいと思って育てた王が、国を滅ぼしかけたのだが?」

 宮廷の権力をデルフィーナに奪われ、王の子の力を使われ、大臣たちまでも罰する。
 誰も止められなかった。
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