あなたの子ですが、内緒で育てます
 そして、ルチアノが即位する日が近いとも。

「一度に話してしまったが、平気か?」

 思考を整理するのに時間がかかったけれど、私は黙ってうなずいた。
 
「領地は戻るまで、ジュストに任せるつもりだ。ルチアノが成人するまでは王宮にいようと思う」

 ザカリア様は約束通り、後見人でいてくれる。
 でも――

「その後はどうなさるのですか?」
「後?」
「ザカリア様はルチアノが成人後、領地へ戻り、また領地を治めるのでしょう?」
「そうなる」

 ザカリア様が、私の顔を見て笑った。
 よほど、不安そうな顔をしていたに違いない。

「セレーネが民のことでもなく、兄上でもなく、他の誰でもない俺のことをを気にするのは、初めてじゃないか?」
「えっ! そ、そうでしょうか?」
「ああ」

 ザカリア様は私の銀色の髪を一房手に取り、髪に口づけた。

「セレーネ。では、俺の妻になり、家族として生きていただけますか?」
「ザカリア様の妻……」

 顔が赤くなるのが、わかった。
 こんな気持ちは生まれて初めてで、言葉がすぐに出なかった。

「返事は?」
「あ、あのっ……」
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