あなたの子ですが、内緒で育てます
「ご覧の通り、大臣の人数も減りました。これ以上、いなくなっては国が滅びてしまう」
「王を……いえ、王妃を止められる者が、誰もいないのです」

 ザカリア様を頼るくらいだ。
 相当、追い詰められていたのだろう。

「わかってます。私もデルフィーナに負けてしまいましたから……」

 七年前の苦い記憶が甦る。

「お母様。今回は負けないよ。ぼくがいるからね?」
「ルチアノ、ありがとう。そうね、あなたがいるわね」

 一人前の顔をして、ルチアノは言った。
 大臣たちの視線は、ルチアノに向けられていた。

「こちらがルチアノ様ですか……」
「セレーネ様に似て、賢そうな王子だ」
「ロゼッテ王女とは似てもにつかぬ」
「まったくだ」

 ロゼッテ王女は、どんな王女なのだろう。
 大臣たちが褒めてくれるのは、嬉しいけれど、ロゼッテ王女に会う前から不安になってきた。
 
「国王陛下にお会いします。案内をしていだけますか?」

 ルチアノの手を握った。
 きっと、ルドヴィク様は私に驚くだろう。
 そして、歓迎はされない。
 わかっていた。
 わかっていたけど――
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