私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
「逢生君は一人の女の人に好きになってもらえれば十分でしょ」
「もちろん」
「だったら、今のままでいいんじゃない?」
「そうかも」
私は今、悪魔から人間を一人救ったような気分になった。
危なかった。
純粋な逢生君が知久の真似をしたら大変だわ。
「小百里、ケーキ焼けたよー」
穂風の声にキッチンに行くとそこには二段のケーキにベリー類、ほんのりピンク色の生クリームに皿には色とりどりのマカロンが並べられていてカラフルで可愛い。
「すごく素敵ね」
「千愛ちゃんは大人びてるけど、可愛いものが好きそうだからね」
穂風はお客様として来ていた時から千愛ちゃんを見ていたのだと思う。
だから、好みもわかる。
キッチンにいながら、お客様の嗜好を把握しようと観察していたに違いなかった。
ケーキを運ぶと千愛ちゃんは目をキラキラさせてそのケーキを言葉もなく見つめていた。
「喜んでもらえたみたいで嬉しいよ」
穂風がキッチンから出てくると私に言った。
「ええ。幸せそうでよかったわ」
「小百里が結婚する時はもっとすごいケーキを作るよ」
穂風が明るく言ってくれたけれど、私は返事ができなかった。
私の結婚は唯冬達のように幸せなものではない。
「もちろん」
「だったら、今のままでいいんじゃない?」
「そうかも」
私は今、悪魔から人間を一人救ったような気分になった。
危なかった。
純粋な逢生君が知久の真似をしたら大変だわ。
「小百里、ケーキ焼けたよー」
穂風の声にキッチンに行くとそこには二段のケーキにベリー類、ほんのりピンク色の生クリームに皿には色とりどりのマカロンが並べられていてカラフルで可愛い。
「すごく素敵ね」
「千愛ちゃんは大人びてるけど、可愛いものが好きそうだからね」
穂風はお客様として来ていた時から千愛ちゃんを見ていたのだと思う。
だから、好みもわかる。
キッチンにいながら、お客様の嗜好を把握しようと観察していたに違いなかった。
ケーキを運ぶと千愛ちゃんは目をキラキラさせてそのケーキを言葉もなく見つめていた。
「喜んでもらえたみたいで嬉しいよ」
穂風がキッチンから出てくると私に言った。
「ええ。幸せそうでよかったわ」
「小百里が結婚する時はもっとすごいケーキを作るよ」
穂風が明るく言ってくれたけれど、私は返事ができなかった。
私の結婚は唯冬達のように幸せなものではない。