私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
「ならないよ。あの知久君が毬衣とおとなしく結婚するわけがない」
「それはそうかも……」
「まずは渋木の家で、バシッと言ってきなよ。それから知久君と話し合えばいいでしょ」
穂風は私の背中を叩いた。
「でも、もう遅いかもしれないし」
「今だから間に合うの! ほら、グタグタ言ってないで行ってきなさいよ」
「おはようございまーすっ! あっ! ココア!」
出勤してきた望未ちゃんがめざとくココアを見つけると笑顔になった。
「穂風さんのココア、美味しいんですよね」
えへっと笑う顔は無邪気で可愛い。
彼女はなにもかもが素直でストレート。
自分の気持ちにいつも正直な子だった。
「いいよ。ココアをいれてあげる。悪いけど、今日は小百里の代わりにフロアを望未ちゃんに任せちゃっていい?」
「なにか用事ですか? もちろんいいですよ。任せてください!」
望未ちゃんは元気よく、ココア、ココアと連呼して私の座っていたカウンターチェアに座った。
「……渋木の家に行ってくるわ」
二人を見ていたら、私は悩んでいるのが馬鹿馬鹿しく思えてきた。
「いってらっしゃい」
にこにこ顔の望未ちゃんと私の背中を押すように微笑む穂風。
「それはそうかも……」
「まずは渋木の家で、バシッと言ってきなよ。それから知久君と話し合えばいいでしょ」
穂風は私の背中を叩いた。
「でも、もう遅いかもしれないし」
「今だから間に合うの! ほら、グタグタ言ってないで行ってきなさいよ」
「おはようございまーすっ! あっ! ココア!」
出勤してきた望未ちゃんがめざとくココアを見つけると笑顔になった。
「穂風さんのココア、美味しいんですよね」
えへっと笑う顔は無邪気で可愛い。
彼女はなにもかもが素直でストレート。
自分の気持ちにいつも正直な子だった。
「いいよ。ココアをいれてあげる。悪いけど、今日は小百里の代わりにフロアを望未ちゃんに任せちゃっていい?」
「なにか用事ですか? もちろんいいですよ。任せてください!」
望未ちゃんは元気よく、ココア、ココアと連呼して私の座っていたカウンターチェアに座った。
「……渋木の家に行ってくるわ」
二人を見ていたら、私は悩んでいるのが馬鹿馬鹿しく思えてきた。
「いってらっしゃい」
にこにこ顔の望未ちゃんと私の背中を押すように微笑む穂風。