私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
「小百里。私に協力して欲しいことがあるならなんでも言ってよ?」
身長が高くてベリーショートの穂風はさわやかに微笑んだ。
学生の頃からの友人で、穂風だけはいろいろな噂を聞いても私と友人でいてくれた。
私の数少ない理解者で友人。
「私は友人として小百里に幸せになって欲しいから」
「穂風……」
「親のことで後ろめたく思う必要はないって、私は昔から小百里に言ってたでしょ? 小百里は小百里なんだからね」
「ありがとう、穂風」
唯冬を見ていると、そんなふうに生きても許されるのかもしれないなんて、思ってしまいそうになる。
私と唯冬では立場が違うとわかっていながら夢を見てしまう。
幸せになれるんじゃないかって―――無意識に首のネックレスに触れていた。
悲しみの涙がいつか喜びの涙に変わる。
そんな日がくるのだろうか。
弟達が留学から帰って来て二年目。
私が結婚を待って欲しいと父に頼んだ三年の最後の一年。
残り一年。
私に残された自由でいられる時間はあとわずかだった―――
身長が高くてベリーショートの穂風はさわやかに微笑んだ。
学生の頃からの友人で、穂風だけはいろいろな噂を聞いても私と友人でいてくれた。
私の数少ない理解者で友人。
「私は友人として小百里に幸せになって欲しいから」
「穂風……」
「親のことで後ろめたく思う必要はないって、私は昔から小百里に言ってたでしょ? 小百里は小百里なんだからね」
「ありがとう、穂風」
唯冬を見ていると、そんなふうに生きても許されるのかもしれないなんて、思ってしまいそうになる。
私と唯冬では立場が違うとわかっていながら夢を見てしまう。
幸せになれるんじゃないかって―――無意識に首のネックレスに触れていた。
悲しみの涙がいつか喜びの涙に変わる。
そんな日がくるのだろうか。
弟達が留学から帰って来て二年目。
私が結婚を待って欲しいと父に頼んだ三年の最後の一年。
残り一年。
私に残された自由でいられる時間はあとわずかだった―――