私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
ランチを食べに来たお客様からの要望があり、ディナータイムもやることになった。
ディナータイムはランチタイムとは違って、セットを決めてやっている。
ランチがメインで夜はメニューを減らし、二種類のセットメニューとデザートメニューのみと決めた。
それでも仕事帰りのOLやサラリーマン、ご近所のお年寄りが食べに訪れてくれる。

「初夏のメニューにそろそろ切り替えたいな」

「そうね」

メニューは相談して決めている。
今日のメニューは春らしくアスパラゴマ和え、魚介と山菜の天ぷらとミニ蕎麦、焼きおにぎり二種が魚メニューで肉メニューはミルフィーユカツとマスタード入りポテトサラダ、具だくさんのミネストローネ。
デザートは選べて抹茶アイスと白玉団子の小豆ソースがけかストロベリーアイスのクレープ包みの二種類。

「ランチタイムも好評だったけど、ディナータイムのメニューも美味しそう。さすが穂風(ほのか)ね」

「そんなことないよ。小百里が美人だから小百里目当てにやって来るお客も多いよ」

「私が美人なんてこと―――」

穂風の言葉に苦笑して、否定しようとした瞬間。

「そんなふうに客から見られているの? さすが血が争えないわね。母親と同じで客に色目を使ってるってわけ?」

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